煩雑な組織は一つもない。
今立ち上げたばかりのような会社だ。
アップルの創業は1976年。
企業の寿命30年説に従えば、すでにピークを迎えたことになる。
しかし、ジョブズはそうではないと考えている。
いまだにみずみずしいことを強調する。
「アップルの車内には煩雑な組織は一つもない。今立ち上げたばかりのような会社だ。
この星で最大の新興企業だ」
その考え方は20代の頃とまったく変わっていない。
1980年の上場直後、ジョブズは自戒するかのようにいっていた。
「僕たちは今、小企業の中の最大の企業という地位から、
大企業の中の最小の企業へと移ってきたのです」
実際、アップルは意思疎通をはばむよけいな組織が少ない。
毎朝のミーティングで細かく情報交換をしているし、
課題を分割してチームに分担させる判断は的確だ。
組織としては若い活力に溢れている。
しかし、ジョブズも老いの入り口にある。
大病で痩せた姿は時に痛々しい。常に新興企業であろうとしても、
すでに時間は限定されつつある。時間と戦うジョブズの毎日について、
iphoneで提携関係にあるソフトバンクの孫正義氏は」こう語った。
「ジョブズは、自分の最後の1日で人類に何を残せるのか、
このことを考えて常に仕事をしている。
ジョブズの後継者が同じものを生み出したとしても、
それは似て非なるものだ」
ー 出典「1分間スティーブ・ジョブズ」