ピンチの時には
身近にいる人を
総動員して、
彼らを信じるんだ。
スティーブ・ジョブズは優秀な人間だけを集めてチームを作るのが好きだ。
いくら優秀でも個人の力には限界があるものだが、チームにまとめることで
限界を超えさせる。それがジョブズである。
たとえば、ジョブズが創業したピクサー・アニメーション・スタジオの世界的
ヒット「トイ・ストーリー」の続編「トイ・ストーリー2」の危機への対応がそうだ。
当初、「2」はビデオ用として制作が進んでいたが、共同制作会社ウォルト・ディズニー・
カンパニーとの話し合いで、急に劇場用に変更されたのである。
劇場用となると、素材を大きく増やし、ストーリーも修正する必要があるが、
残された時間はわずか8ヶ月。しかも監督ジョン・セラターは新作「バグズ・ライフ」に
かかりきりで、「2」に時間を酒ない。
後悔時期を延ばすか、そこそこのできでよしとするか。ジョブズの答えはいずれも
ノーだった。焦るセラターにこういった。「ピンチの時には、新しい人材を探す暇はない。
身近にいる人員を総動員して、彼らを信じるんだ」
「2」のチームは家族に会うことすらできない超過勤務をやりとげ、1作目をしのぐ
巨額の興行収入を上げたのである。
セラターは、こう振り返っている。
「ジョブズは、僕に最善ともいえる助言をくれたね。僕はその通りにしたよ」
ー 出典「1分間スティーブ・ジョブズ」